がんじがらめ

2004年8月13日
いくら好きになっても彼と一緒になれることはない。
どんなに愛しても私だけを愛してくれるわけではない。
どれほど思っても私だけを守ってくれることはない。
わかっていても割り切れない気持ち。

年を取ったらどうなるんだろう。
今はまだいい。でも年を取ったら?

先日父が入院した。
心臓の手術をすることになった。
病院に行けば父と同年代の人たちが
これまた母と同年代の人と
寄り添って座っている姿をそこここで目にする。
若いときには喧嘩もしただろう。
それでも年を重ねていけば
口げんかのような話し方をしていても
"夫婦"という1つの組になって座ってる。
それは私の父と母も同じ。

自分でやっていける。
夫なんかいらない。
そう思って一人で生きていくことを選んだ。
だからといって一生一人でいることを選んだわけではない。
好きな人といつかは暮らしたい。
年を取ったら穏やかに過ごしたい。
その相手が彼だったら。。。
そう考えたことはたびたびある。
かなわぬ思いだとしても世の中に絶対はないのだから。

病院にいてしみじみ思った。
私が年を取ったら、たとえば入院したらどうなるんだろうかと。
子供はもちろん来てはくれるだろう。
だが彼女たちも彼もそのときには生活もあるだろう。
ずっと付き添っていられるわけではない。
もしそのときまで彼といたら?
それはありえない話しではないだろうが
彼が私の入院に付き添えるとは思えない。

子供たちの手が離れたら迎えに行くから。
いつか一緒に暮らせる日が来るから。
そんな言葉をうれしく聞いた日もあった。
だけど彼と時間を重ねるごとにそれらは
儚い夢でしかないと思い知ることもあり
期待はだんだん薄れてなくなっていった。
たとえば私が独身の男と付き合っていたら
それはそれで相手につらい思いをさせるだろう。
私はもう子供たちに他人を父親と呼ばせたくはないし
私はもう子供たちとのこの生活の中に
他人を入れることをしたくないから。
だから彼がちょうどいいんだ。
そう自分に言い聞かせてさえいるような。

先日彼と会ったときに口にしてみた。
私もいつか結婚するから。
彼はちょっとびっくりしていた。
だって、この前病院行ったときこうだったのよ。
そんな話しを聞かれもしないのに話し出した。
私も年取って一人はいやよ。
いつかは結婚しちゃうんだから。
どうして?どうして?そういう彼に言い聞かせるように
だって、だってとその理由を話している私。

年取ってあなたが入院するころには
俺は仕事だってしてないだろうし
毎日もう朝から晩まで病院にいるよ。
でも、年取って子供たちがいなくなってしまったら
私家で一人っきりじゃない。そんなのいやよ。
そしたら家に行けるじゃん。
毎日は無理でも週の半分は家に泊まる。
無理よ、そんなの。

そんなやりとりを続けていたら急に
嫌だ、そんなの嫌だ。
どこにも行かないで。ずっといて。
彼が急に言い出した。

今は仕事しなきゃならないでしょ。
なかなか会えないときもあるけど
もうちょっと待っててよ。
もうちょっといてよ。
そういう彼に、
今ならまだいくらでもほかに作れるけど
待ってておばちゃんになっちゃったら
もう誰も相手にしてくれなくなるじゃない。
もうちょっと待ってて誰も相手してくれなくなったらどうするのよ
もうちょっと待ってて年取ってから
あなたに捨てられたら目も当てられないわ。
そう言うと急にげらげら笑い出した。

あんたもうそのころになったら
捨てるも捨てないもないでしょう。
そう笑いながらいう彼に
私もつい笑ってしまったけど。

彼ととにかく私といたいらしい。それはわかった。
いつまでとかでなく、少なくとも今は
いや、今でもずっと一緒にいたいらしい。
ほかの男には取られたくない。
自分の物だけでいてほしい。
それはわかった。

でも彼は?
彼は私だけのものではないじゃない。
ずっと一緒にいるって言ったって
それは彼の空いた時間にだけじゃない。
そうは思うけれど。。。。。
今は彼が私といたいと再確認できただけで幸せ。
離れられないのは私の方。

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MK

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